分娩方法のいろいろ

自然分娩と計画分娩について、それぞれの詳しい方法をまとめています。 

自然分娩の種類をチェック

自然分娩と呼ばれるものにはおもに以下のものがあります。

ラマーズ法 

出産を経験したことが無くても、知っている人の多い出産方法がこのラマーズ法です。
「ヒッヒッフー」という呼吸法、聞いたことありますよね?
これは、呼吸法とマッサージで精神的にリラックスし、陣痛の痛みを逃がす方法です。

精神的にお産の恐怖を楽にする

ラマーズ法は、フランスの産科医ラマーズ博士が広めた分娩法です。「精神予防性無痛分娩」と呼ばれる分娩法のひとつで、麻酔薬などを用いてお産の痛みを緩和するのではなく、自然な方法で緩和することを目的としています。

参考:平成4年「妊産婦をとりまく諸要因と母子の研究に関する総合的研究」厚生省心身障害研究 西島正博

ラマーズ法のメリットとデメリット

ラマーズ法のメリット ラマーズ法のデメリット
ラマーズ法で呼吸を意識して出産に挑むことで、痛みの恐怖などで萎縮してしまった体がリラックスし、全身の力を抜いた状態で分娩を行うことができます。 いざ出産のときはパニック状態になってしまうことがあります。出産時に呼吸法を忘れずに行うためには、事前にトレーニングし、習得しておく必要があります。ある程度の訓練が必要な方法です。

参考:2007年3月31日「戦後日本の自然出産の流れ - 女性と助産婦との関係に焦点をあてて」京都大学医学部保健学科紀要 日隈,ふみ子

ソフロロジー法

最近取り入れている病院が増えているのが、このソフロロジー法です。
ヨガを取り入れたエクササイズとイメージトレーニングを大切にし、体をリラックスさせることを覚えさせるとともに、出産を前向きにとらえます。
出産は母が頑張るものではなく、あくまで赤ちゃんとの共同作業だという考えを持ちます。

妊娠中から、ソフロロジー式呼吸法(のどを狭めずに長く息を吐き、鼻から普通に生きを吸う)を練習し、あぐらの姿勢で赤ちゃんが降りていることをイメージしながらリラックスすることを覚えます。
そしてなにより、出産をポジティブにとらえることで、陣痛を怖いものではなく、必要な過程なのだと考えます。 

東洋の禅とヨガを取り入れた分娩法

ラマーズ法等の「精神予防性無痛分娩」の考え方をベースに、東洋の禅とヨガの思想を取り入れたのが、ソフロロジー法です。禅やヨガの思想によるリラックス法、出産のイメージトレーニングを妊娠期間中に行い、出産の日を迎えます。

参考:平成4年「妊産婦をとりまく諸要因と母子の研究に関する総合的研究」厚生省心身障害研究 西島正博

ソフロロジー法のメリットとデメリット

ソフロロジー法のメリット ソフロロジー法のデメリット
ソフロロジー法をトレーニングで習得することで、陣痛の痛みや出産の恐怖を積極的に受け入れた状態で分娩に挑むことができるようになります。出産に対する恐怖が緩和し、従来の出産と比べて、痛みにより叫び声を上げることなく、穏やかで静かに分娩が進むと言われています。 ソフロロジー法を習得するまでに時間がかかり、出産に間に合わない可能性もあります。イメージトレーニングやヨガなどが苦手な場合、トレーニング自体が苦手となるかもしれません。

REIB(リーブ)法 

REIBとは、Relaxation、Imagination、Exercise、Breathingの頭文字を指します。
こちらも、イメージを大切にし、出産とはどういうことなのかをしっかり把握し、出産を怖いものと考えず、前向きにとらえます。
気功(中国の呼吸法)を取り入れているのも特徴です。 

日本で生まれた分娩法

リーブ法は、ラマーズ法、ソルフロロジー法とは違い、1990年東京警察病院産婦人科ではじめられた、日本で生まれた分娩法です。中国の気功法からヒントを得た「イマジネーション」「エクササイズ」「ブリージング」の三要素に、「リラクゼーション」を加え、これらが安産における四要素であるとした分娩法です。

参考:平成4年「妊産婦をとりまく諸要因と母子の研究に関する総合的研究」厚生省心身障害研究 西島正博

リーブ法のメリットとデメリット

リーブ法のメリット リーブ法のデメリット
リラックスに重点を置いた呼吸法(ラマーズ法、ソルフロロジー法等)とは違い、エクササイズや呼吸法により痛みを和らげ、陣痛のタイミングの逃さずにスムーズな分娩を目指します。そのため、ママや赤ちゃんへの負担が軽減されます。 他の呼吸法同様、分娩時のパニックなどにより、トレーニング通りの呼吸法などが行えない可能性があります。事前のトレーニングが大切な分娩法です。

フリースタイル法

助産院での出産法によく用いられているかと思いますが、姿勢も呼吸法もとにかくプレママさん任せの出産法です。
出産時に楽な姿勢、かつ無理のない呼吸法で、自分が一番楽にできる出産を行います。

「出産は自然で本能的なこと」と捉えた分娩法

フリースタイル法(アクティブバース)は、出産時、ママが自発的に振る舞うことを重視した分娩法です。考え方としては、近代以前の女性たちがとっていた、女性にとって自然な出産スタイルを現在に再現させたものになります。立ったり座ったり、自分の好きなスタイルで陣痛、分娩を迎え自然に構えることで、女性自身が「本来、備わっている産む力」を感じ、出産を行うのです。

参考:2007年3月31日「戦後日本の自然出産の流れ - 女性と助産婦との関係に焦 点をあてて」京都大学医学部保健学科紀要 日隈,ふみ子

フリースタイル法のメリットとデメリット

フリースタイル法のメリット フリースタイル法のデメリット
出産を実際に行うママ自身が、自分の好きなスタイルで出産を行うため、よりリラックスした空間で分娩ができます。それにより、出産の促進といった効果が得られ、痛みの軽減、赤ちゃんの状態も向上する、といったことが考えられます。 まざまな分娩に対応するためには、対応できる施設、技術のある医師やスタッフが必要になります。また、出産に際し、何らかのリスクのある妊婦さんは断られるケースがあります。

座位分娩

一般的な分娩法を指します。少し傾いている分娩台に座ることで、重力をうまく利用し、自然な形で出産を迎えます。

理にかなった分娩方法

座った姿勢、または前傾の姿勢で出産を行うことを座位分娩といいます。仰向けで行う出産よりも、より自然に近い、理にかなった分娩体位として見直されています。座位専用の分娩台で出産する方法や、介助者等にしがみつくような形の座位分娩などがあります。

参考:日医大誌第53巻第2号「座位分娩にて出生した新生児の循環血液量の検討」進純郎

座位分娩のメリットとデメリット

座位分娩のメリット 座位分娩のデメリット
座位分娩により、出産時の痛みが緩和することが期待できます。また、赤ちゃんにかかる重力や、腹圧をかけやすくいきみやすいなどの効果があるため、出産時間もあお向けで行う出産よりも短縮できます。出産時間が短縮されることで、ママと赤ちゃんの体力消耗も最小限で済みます。 座位分娩は仰向けの出産よりも、赤ちゃんをとり上げることが難しくなります。また、子宮口の状態等の確認もしづらいため、対応できる技術のある医師や助産師、施設が整ったところでしか行うことができません。

参考:1990年「アクティブ・バースに関する研 究」日本助産学会誌鈴木美哉子・堀内成子

水中出産

ぬるま湯につかっての出産方法です。陣痛の際にお風呂に入ると陣痛が和らぐと言われているのですが、非常にリラックス効果が高く、また筋肉をゆるめてくれるので、楽に出産することができるようです。
多くの経験者が、出産直後に赤ちゃんがプカプカと浮いてくる姿は忘れられないし、非常に素晴らしい経験だったと言います。

心身ともにリラックスして出産できる

約37度前後のお風呂の中、リラックスした状態で分娩を行うのが、水中出産です。経験者の多くが痛みの緩和や不安の軽減を感じ、満足度も高い分娩法のひとつです。

参考:1991年日本助産学会誌第5巻第1号「水中出産の事例報告」瀬井房子

水中出産のメリットとデメリット

水中出産のメリット 水中出産のデメリット
浮力で体が軽くなるため、ママが自分で楽な姿勢を取りやすく、好きな形で出産ができます。お風呂のリラックス効果もあり、陣痛の痛みがやわらかく感じられるなど、痛みの緩和が期待できます。また、産まれてきた赤ちゃんにとっても、羊水と似た水中に産まれることで、負担が軽減されると言われています。 出産にかかる時間によっては、一般的な出産よりも出血量が増える可能性があります。また、お風呂に長時間入ることになるため、長湯で気分が悪くなる方には向いていません。対応している施設も限られています。

計画分娩の種類をチェック

計画分娩は、その名の通り、計画的に出産を行うことを言います。
その理由としては、母子の状態や病院の都合などがあるそうです。
また、方法としては、陣痛促進剤の利用や手術などがあります。 

無痛分娩

最近この方法をとって出産される方が増えているそうです。
おもな方法としては、脊椎にある硬膜外腔に細いチューブを挿入し、麻酔薬を持続的に投与することで、陣痛の痛みを極力抑えるというもの。

痛みが苦手であったり、分娩に恐怖がある女性に人気の分娩の方法です。
産後の回復がとてもスムーズで育児に専念できるという点から、一人目のお子さんは自然分娩、二人目は、無痛分娩で…というケースが多いようです。

痛みの少ない分娩で妊娠期間も不安なく過ごせる

出産は、大変な痛み、苦痛を伴うものです。麻酔を使用することで、痛みの少ない出産を行うのが無痛分娩です。硬膜外麻酔が従来の標準的な方法でしたが、最近は硬膜外麻酔の前に脊椎麻酔を併用して行う施設も増えています。

参考:「無痛分娩について」国立研究開発法人 国立成育医療研究センター

無痛分娩のメリットとデメリット

無痛分娩のメリット 無痛分娩のデメリット
特に初めての妊娠の方にとっては、出産時の痛みが緩和されることは、大きな意味があります。痛みに対する不安がなくなることで、妊娠中も安心して過ごすことができます。さらに、無痛分娩は産前産後の回復が早く、出産時の安全性も向上すると言われています。 無痛分娩を行っている医療機関が限られていること、そして、費用が高くなってしまうことはデメリットと言えます。また、人によっては麻酔により副作用等のトラブルが起こることも考えられます。

帝王切開

最近は高齢出産も増えていますから、帝王切開による出産も多いようです。

自然分娩では母子にリスクのある場合などは、子供の成長具体に応じて最初から帝王切開で計画的に出産することとなります。
元々は自然分娩の予定であっても、トラブルなどによって最終的に帝王切開になる場合も、もちろんあります。

普通分娩では危険が伴う場合の手段

前回の出産が帝王切開だった場合や逆子、子宮筋腫等の理由で計画的に帝王切開を行う「予定帝王切開」、分娩中になんらかの理由で医師の判断により行う「緊急帝王切開」があります。出産ですが手術を行うため、普通分娩よりリスクが高くなります。

 

参考:『2017年9月20日「出産に際して知っておきたいこと」周産期・母性診療センター

帝王切開のメリットとデメリット

帝王切開のメリット 帝王切開のデメリット
帝王切開は、赤ちゃん側やママ側になんらかの問題がある場合に選択される分娩法なので、それらの危険を回避できる点が大きなメリットです。他には、麻酔を使用する手術なので、分娩中(手術中)の痛みが少ない、また、「予定帝王切開」の場合は、予定が立てやすいことなどもメリットと言えます。 麻酔を使用する手術を行うために、手術中はさまざまなトラブルが起こる可能性があります。入院期間も普通分娩より長くなり、子宮の回復も遅いと言われています。さらに、術後の傷口が痛むこともあります。また、出産費用が高くなる場合もあります。

自分に合った分娩法を

現在は分娩台で出産する方法だけではなく、さまざまな分娩法が誕生しています。出産するママ自身が、自分と赤ちゃんに合わせた分娩方法を撰択することができる時代なのです。自分が好きなスタイルの分娩を撰択することで、妊娠期間中も出産への不安を最小限に抑えることができ、ママになる日までの準備がしやすくなります。
生まれてくる赤ちゃんのことはもちろんですが、ママ自身が安心して出産の日を迎えることができるよう、それぞれの分娩法の特徴を吟味して、満足できるお産を目指してください。