出生前検査の種類や費用

妊娠の事実がわかると、喜びとと共に胎児の健康状態や安全な分娩について考える機会が増えます。妊娠生活を経て順調な出産を迎えたいという気持ちは誰しもが持ちます。そんなときに気になるのが出生前検査を受けるかどうかという選択です。

出生前検査は胎児や妊娠の状態を知るだけではなく、遺伝子疾患やダウン症の発症などを知ることにもなる検査です。そのため、出生前検査を受けるかどうか迷っているという方もいるかもしれません。出生前検査の種類や費用などをご紹介しますので、検討する際の参考にしてみてください。

出生前検査の種類にはどんなものがあるの?

出生前検査(出生前診断)は、妊娠中に行う検査のことで、胎児の位置や向き、胎児環境など、安全な妊娠と分娩を目的として行います。

羊水検査とは?

羊水検査は、妊娠16~18週までの期間に、子宮に針を刺して採取した羊水を検査して、ダウン症などの染色体異常を診断するものです。通常人間の身体にある遺伝情報の46本の染色体の数的異常から21トリソミーや18トリソミーなどの診断を多ないます。羊水検査によって診断できるのは先天異常のうち約10%です。

羊水検査の費用

希望者のみが任意で受検する検査で、費用は6万円から15万円が目安となります。

母体血清マーカー検査(クアトロテスト)

妊娠16~18週までの期間に、母体の血液に含まれる4つの成分を検査して行います。この検査により、染色体異常と開放性神経管奇形(胎児の中枢神経の形成がなされない状態)の診断が可能です。近年「NIPT(新型出生前診断)」という方法も用いられていますが、受検には条件があります。

超音波(エコー)検査とは?

超音波(エコー)検査は、妊娠の初期には2週間に1回、中期から後期にかけては4週間に1回の頻度で行う検査のことです。妊婦検診では必ず用いられている検査で、胎児の健康状態などを知るためのもので、染色体や遺伝子、臓器などの異常についてはわかりません。そのため、27~29週の期間に、特殊モードによる超音波精密検査を加えて用いることにより胎児の形態を診断するのが通常となっています。

超音波検査の費用

初期の超音波検査が1,500円、27~29週の精密超音波は4,000円が目安となっています。居住する自治体により補助が受けられる場合もあります。

出生前検査の選択どうする?

それまで35歳以上のみが受検可能という年齢制限があった母体血清マーカー検査が、年齢を問わずに受検可能になったのは1994年のことでしたが、出生前検査が胎児の正常と異常を識別する性質を持ち、胎児異常による中絶を促進する面があることから、積極的にはすすめないほうがいいという見方がありました。

参考:柘植あずみ「生殖技術に対する生命倫理の 課題の 再考」[pdf]

その反面、若年層の妊娠よりも負担が増える高齢出産が増加する傾向にある現代では、安全な妊娠分娩のためには必要とする見方もあります。高齢出産の場合、手術などで対応できない遺伝子疾患やダウン症の発症率が高くなることがその理由のひとつとなっています。検査を受けても受けなくても不安がつきまとう場合もありますし、検査結果により決断が必要となる場合もあるかもしれません。選択は個人にゆだねられているのが現状です。ご紹介した検査を参考にしながら考えてみてください。

参考:菅野摂子「出生前診断における妊婦の受検態度と医療者のかかわり」[pdf]